郡山青藍病院では、平成25年5月に脳ドックを開設し、これまでに多くの患者様が当院の脳ドックを受けておられます。
脳ドックを受けられた方の中には、未破裂脳動脈瘤が偶然発見された方もおられます。
未破裂脳動脈瘤は、未だ破裂していない脳動脈瘤のことであり、自覚症状はなく、診察でも異常がないことが普通です。小さな動脈瘤も含めると、100人に2-3人の方に未破裂脳動脈瘤があると言われています。
最新の未破裂脳動脈瘤の全例調査(UCAS Japan)の結果では、年間出血率は0.64%/年、つまり未破裂脳動脈瘤を持った人のうち、くも膜下出血を起こす人は1年間に0.64%、言い換えると1000人中6.4人となります。
また、脳動脈瘤の大きさや発生部位によっても破裂率が異なることが分かってきております。
また、もし、脳動脈瘤が破裂した場合は、どうなるのでしょう。
脳動脈瘤が破裂すると、くも膜下出血が生じます。くも膜下出血が生じると、約半数の方は、生命にかかわり、最悪の場合は亡くなられます。
これだけ医療が発達していても社会復帰できる患者様は、3人に1人と言われています。
さて、脳ドック等で偶然、未破裂脳動脈瘤があると診断された方は、「未破裂脳動脈瘤とはどのようなものか。」、「破裂の危険性はあるのか。」「治療は受けないといけないのか。」「治療法にはどのような方法があるのか。」など不安に思われることがたくさんあると思います。
このため、郡山青藍病院では、このような患者様の不安を払拭できるような、やさしく丁寧でわかりやすい説明を心掛け、患者様と一緒に治療法を模索できるような相談窓口として、未破裂脳動脈瘤セカンドオピニオン外来を平成29年7月1日に開設いたしました。
また、このセカンドオピニオン外来は、未破裂脳動脈瘤に限らず、脳疾患全般についてもご相談いただくことができますので、是非とも、皆様方のお役に立ちたいと思っております。
郡山青藍病院 院長・脳神経外科部長
宮本 和典
当院では、「未破裂脳動脈瘤」に対する開頭クリッピング術を安全で確実に行うために、手術自体や手術前後の管理について院内ルールを作成して厳守するとともに、最新の設備機器を導入しています。
血管の裏側を観察するための内視鏡をはじめ、脳血管内の血流を音で確認できる超音波血流計、脳内の運動神経の働きを手術中に確認できる運動誘発電位(MEP)などの各種のモニタリング装置を使用しています。さらに、血液の流れを顕微鏡下で確認できる新しい手術用顕微鏡を導入したことで、より高度で安全な脳動脈瘤手術が可能になりました。
検査機器
64列CT・1.5テスラMRI・アンギオ装置
平日(月曜~金曜)9:00~17:00