血管内手術による「コイル塞栓術」です。開頭を必要としない低侵襲手術です。局所麻酔を大腿の付け根に用います。大腿の動脈からカテーテルを動脈内に挿入していきます。レントゲン透視にて確認しながら、頸部の動脈までカテーテルを導きます。そのカテーテルの中に更に細いマイクロカテーテルと呼ばれる管を通して、これを脳動脈瘤内まで到達させます。コイルと呼ばれるプラチナ製の細い糸をマイクロカテーテル内に通して患部の動脈瘤内までおくりこんで糸を巻くように充填していき、切り離します。コイルが動脈瘤内に十分詰まるまで繰り返します。動脈瘤内をコイルがみたした事を確認しカテーテルを抜去して手術を完了します。コイルが動脈瘤内をみたし破裂を防ぎます。 難しい手術ですので経験を積んだ専門医によって施術されます。
開頭を必要としない低侵襲手術です。クリッピング術では対応できない脳の基底部や深部に発生した「未破裂脳動脈瘤」に対応ができます。開頭しませんので局部麻酔での治療となり開頭手術に対して体力のない高齢者にも適応可能でき入院期間も約10日前後で短くて済みます。
・未破裂脳動脈瘤にコイルを挿入している操作中に動脈瘤が破裂する場合もあり,破裂をおこすと「くも膜下出血」となり重篤な事態になります。そこから急遽、開頭手術にて対処する事となりますので術後に何らかの後遺症(運動機能障害、失語症、空間失認、感覚障害、認知障害等などの高次機能障害)の発生の可能性があります。
・手術が成功しても十分に脳動脈瘤にコイルが詰められなかった場合は再発し、再治療が必要になる場合がります。
・バルーン・カテーテルを併用しての手術では血管内皮を損傷させて血栓ができてしまいそれが抹消の血管に飛んでいく血栓塞栓性合併症を起こす場合があります。
・コイルが動脈瘤から飛び出して正常な血管を詰まらせる場合や、飛び出したコイルによって血栓が作られて脳梗塞を引き起こす場合があります。
手術時間は約1時間~3時間程度
入院期間は10日~14日です
入院中のリハビリは殆ど行いません。
退院後は職場復帰できます
血圧に注意しながら普通の生活を送る事ができます。また、服薬の必要はありません。
手術後の検査で問題がなければ、再発することはまれです。
平日(月曜~金曜)9:00~17:00